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私たちの髪の毛のトラブルには薄毛と白髪があります。できることなら、薄毛と白髪のどちらにもなりたくないものです。しかし実際には、早い人では20代から抜け毛に悩まされたり白髪になったりします。あるいは、ハゲと白髪の同時になってしまう人もいるのが現実です。

一般的に、白髪の発生は男性では30歳頃から始まるとされています。髪に関する調査によると40歳以上の日本人5千万人以上が「自分は白髪が多い」と感じているといった結果が出ています。特に女性は、薄毛よりも白髪で悩む場合のほうが多くみられます。

最近は、毛染めの技術や毛染め商品の品質向上によって白髪も目立たなくなってきました。ただ、急激に白髪が増えた場合は白髪を目立たせなくすることよりも、本来は生活習慣の見直しをすることが優先されるべきです。急な白髪の増加は、病気の前兆であることも考えられるからです。

ここでは白髪になるメカニズムと、白髪が病気とのように関わっているかについて説明していきます。

白髪になるメカニズムとは

私たちの髪の毛は本来色がついていません。生まれたての産毛(うぶげ)は白髪です。白髪として生まれた産毛は成長するにしたがい色がついていきます。このとき髪に色をつける役割をはたすものを、専門用語で「メラニン」といいます。

この髪に色をつける「メラニン」には、「メラニン」のもとになる細胞があり専門用語で「メラノサイト」といいます。何らかの理由で、この「メラノサイト」の働きが失われたり衰えたりすると「メラニン」が髪に色をつけられなくなり白髪になります。

白髪になる4大要素

私たちの毛髪は、髪の毛から直接色が抜けるのではなく髪の毛に色をつけている細胞である「メラノサイト」が働かなくなることで、髪に色をつけられなくなり白髪になります。この「メラノサイト」が正常に機能しなくなる原因は、ストレス・生活環境・食生活・遺伝・加齢などが考えられています。

1 ストレス

白髪になる原因の1つとして、ストレスがあげられます。ストレスが溜まっていると自律神経のバランスが乱れがちです。自律神経とは、「心臓の鼓動」「腸の動き」「体温調節」など自分ではコントロールできない部分を担っている神経のことです。

自律神経のバランスが崩れると、自律神経失調症(動悸・便秘・冷え性など)という病気になってしまいます。また自律神経の働きが低下すると身体全体の血行が悪くなってしまうため、頭皮には髪の毛の栄養であるミネラルなどが十分に送られなくなります。

髪の毛の栄養であるミネラルとして、カルシウム・亜鉛・銅などが挙げられます。これらのミネラルが足りないと、メラニン色素を合成する酵素が働いてくれないため、白髪の原因となります。

2 生活環境・食生活

生活環境も白髪の原因になります。生活環境や食生活が乱れることによって白髪になってしまうのです。実際は、白髪の長さから過去の生活環境や食生活が乱れた時期を確認することができます。髪の毛は1ヵ月に約1cm伸びますので、例えば急に約3cmの白髪が目立ってきたら、3ヵ月前の生活に原因がある可能性があります。

このときは3ヵ月前に寝不足や不規則な生活、栄養バランスの悪い食生活、強いストレスなどがあった可能性があります。たばこの吸いすぎが原因かもしれません。たばこは白髪にも薄毛にもよくありません。

実は、「毛髪は内臓を表す」ということができます。このことはアメリカで開発された毛髪ミネラル分析による方法でも証明されています。

これを専門用語でICP分析といいますが、被験者の毛髪を1mgほど採って結果をみます。ICP分析にかけると被験者の過去数か月の生活環境が分かり、その生活を今後も続けていった場合にどのような病気になるか予想することができるのです。

過去の生活習慣や環境が、私たちの髪の毛には記録としてしっかりと残されるのです。

3 遺伝

白髪は薄毛に比べて、遺伝的な要因が強いと一般的にいわれています。しかし、両親が白髪だからといって子供も100%白髪になるわけではありません。つまり両親が白髪でも、本人の正しい生活環境や食生活、ストレスを抑えた生活などで、白髪をおさえることが可能でもあります。

実は、私自身もそうでした。私の父親は40代から白髪が多くありました。一方の私自身は20代前半で薄毛になったことをきっかけに、生活習慣や食生活の徹底した改善、正しく効果のある頭皮ケアを実践した結果、約1年後には薄毛を直すことができました。

このような生活を30年以上続けたことにより、現在も髪の毛は50代という年齢の割にはフサフサです。白髪も少しはありますが、本数はかなり少なく抑えられています。

白髪は遺伝の要素もありますが、若白髪は遺伝よりも日頃の生活の環境や習慣などの影響が大きいといえるのです。

4 加齢

中国の文献によると、人間が真に健康であれば、男性は58歳ごろから、女性は57歳ごろから白髪が出てくると書いてあります。もみあげのところから少しずつ白くなっていき、頭頂に向かって白髪が進行します。

白髪になった後、抜け毛が始まります。脱毛は頭頂のつむじから、うずまき状に下へと進行します。面白いことに、この脱毛の順序は赤ちゃんの髪の毛が生えはじめる順序と同じです。

このように私たちには、加齢による白髪や脱毛はいずれ起こることですが、本来であればこの文献にもある通り白髪や脱毛は50代後半から始まります。

若くして、髪が大量に抜けたり白髪になったりすることは、人間本来の姿ではありません。逆にいえば、間違った生活習慣や食生活を正すことによって、抜け毛も白髪も止めることが可能なのです。特に若ければ若いほどその成果は早くでます。

白髪対策に効果のある食品

髪の毛の色はメラニンによってもたらされています。このメラニンをつくりだす細胞「メラノサイト」がメラニン色素を作り出すためには、さまざまな栄養素を必要とします。特に、「チロシナーゼ」という酵素が必須です。

そして、この「チロシナーゼ」という酵素を活性化させるにも、欠かすことのできない栄養素があるのです。

以下に、「メラノサイト」と「チロシナーゼ」の働きを助ける成分と、その成分を含む食品を記します。

ヨード:細胞の成長を助けメラノサイトを活性化する

ヨードはヨウ素ともいいます。人間の体に不可欠なミネラルの一種で、甲状腺に多く存在します。メラノサイトを活発にする栄養素でもあります。ヨードは「海のミネラル」とも呼ばれ、海草類に多く含まれます。

・ヨードを多く含む食品

海草類:ワカメ、昆布、のり

魚介類:カツオ、ブリ、イワシ

チロシン:メラニン色素の原料となる

チロシンは自律神経の調整を行う甲状腺ホルモンや、髪の毛の色素になるメラニンの原料になります。

・チロシンを多く含む食品

果物:アボガド、リンゴ

魚介類:カツオ、マグロ、イワシ、たらこ

ナッツ類:アーモンド、ピーナッツ

銅:チロシナーゼの働きに必須

メラニン色素の生成時に必要な酵素がチロシナーゼです。チロシナーゼが正常に働くためには銅が不可欠です。したがって銅が不足するとチロシナーゼが機能せず、結果的に髪の色が落ちたり、髪が縮れたりします。

・銅を多く含む食品

野菜:ごぼう、モロヘイヤ、パセリ

穀類:そば、サツマイモ

魚介類:エビ、カニ

果物:プルーン

以上の食品が、白髪に効果のある食品です。白髪が気になる場合は、食事のメニューに積極的に取り入れてください。ただし、貧血体質の人にとって海草類は体質に合わないので、あまり食べないでください。

白髪が急激に増えることがあれば、病気の前兆の可能性もありますので決して放っておいてはいけません。強いストレスや、間違った生活習慣が関係していることが考えられます。もう一度日頃の生活習慣を見直して、白髪や薄毛になる原因があれば早めに正していきましょう。