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中国では、大昔から髪の毛を血餘(けつよ)といってきました。

血餘は漢方の書物にも記されており、これは「髪の毛は血の余り」であるとの意味です。つまり血液の中の一部が髪の毛になるといった考え方です。

私たちが食べた物は、エネルギー源になったり体内でタンパクを合成して血液を作ったりします。血液によって私たちの健康や生命は維持されますが、血液の余まった部分が髪やツメとなるという意味です。

そのため、血に余裕があるときは豊富で健康な美しい髪になり、余裕がないときは抜け毛や白髪を引き起こすということになります。あなたが日頃の生活の中で口にする食べ物が血液を作りますので、髪の毛にとって毎日の食事は大切です。

漢方での血餘(けつよ)という言葉は、髪が生えるしくみを一言で表現しているのです。そこで、ここでは血液と髪、さらには食事がどのように関わっているのかについて確認していきます。

腎臓と髪の関係

血がなければ、気力が生まれません。また同時に、気力がなければ血は動きません。漢方を含め東洋医学ではこのときの血が五臓六腑に行きわたることが健康的な生活を送るためには大切だといわれています。

五臓六腑とは、「心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓」の五臓と「大腸・小腸・担・胃・三焦・膀胱」の六腑のことです。要は、臓器のことだと考えてください。

漢方の世界では、五臓六腑を中心にして人間の生命システムが働いているとしています。そして、五臓六腑の中で髪にとって特に大切な臓器は腎臓です。

腎臓の機能は以下の通りです。

1 血液をろ過して老廃物を身体から追いだす

2 血圧を調整する

3 血液に必要なホルモンを分泌する

4 身体の水分の調節をする

5 血液を弱アルカリ性に保つ

「肝腎かなめ」という言葉がありますが、このときの「肝」は肝臓で、「腎」は腎臓のことを指します。この2つの臓器は、私たちの生命を維持するために非常に重要な働きをします。その中でも、漢方において腎臓は「髪の毛に大切な臓器である」とされていますが、世間ではあまり知られていません。

そのために、腎臓に良い食事を摂れば薄毛を改善することができることがわかります。

我たちにとって大切な臓器である腎臓を強化する食べ物があります。漢方ではこれらの食べ物は「色の黒い食べ物」といわれております。例をあげると、黒豆、黒ゴマ、黒米、ひじき、山芋、ナスなどですが、その中で育毛に特におススメなのが黒豆です。

黒豆の育毛効果

黒豆にさまざまな栄養効果があることは、古来より知られていました。日本では江戸時代にも効能が記されており、漢方では「黒豆衣・こくずい」という生薬の名で数千年前からその効能が認められています。

現代でも、その栄養効果が再認識され、健康維持のために毎日の食生活に積極的に取り入れている人が増えています。

黒豆の栄養効能は以下の通りです。

成分と健康効果

・イソフラボン:抜け毛防止・美肌効果・乳がん予防

・アントシアニン:動脈硬化予防・視力改善・便秘解消

・サポニン:血圧降下

・レシチン:脳機能維持

・カリウム:高血圧予防

・カルシウム:骨粗しょう症予防

・鉄分:貧血予防

女性のなかには、ダイエット目的で黒豆を食べている人もいます。

黒豆によって抜け毛を止めるには

それでは、黒豆の育毛効果をより発揮させるためには、どのように食べたらいいのでしょうか。

この方法は私自身の薄毛が気になり始めた20代前半からほぼ毎日実践していています。薄毛が気になりだした人にとって、抜け毛防止に大変効果があることを実感している食べ方です。ただ、特に難しい方法ではありません。

それは、毎日大さじ2杯の黒豆を少量のカプサイシンと一緒に食べる」というものです。

黒豆による育毛の効果を引き出すには、たったこれだけです。実はイソフラボンの一日の摂取量は75mg以下となっておりますので、食べすぎに注意しなければなりません。しかし毎日黒豆大さ2杯くらいですと、1日の食事で他の食品にイソフラボンが含まれていても過剰摂取にはならない量です。

また、なぜカプサイシンも一緒に食べるのかといいますと、イソフラボンとカプサイシンンを同時に摂取することで、育毛効果が期待できる体内物質を増加させることができるからです。その物質は専門用語で「IGF-1」というインスリン様成長因子で、育毛効果のほかにアンチエイジング効果も認められています。

私の場合は、黒豆とキムチ(もしくは、ほんの少量の一味唐辛子)を毎朝の朝食にとり入れています。

黒豆だけ食べてカプサイシンを取らない日もありますが、両方取るほうが毎日の抜け毛の数が明らかに違ってきます。

私の感覚ですと、夜の頭皮の手入れの際に抜け毛が約10から15本少ない感じがします。そのため、大さじ2杯の黒豆と小さじにほんの少々の一味唐辛子を一緒にとるようするといいです。

ただ、カプサイシンは体質によっては食べるのを避けなければならない人もいます。それは、「炎症体質」と「貧血体質」の人たちです。この方たちは、カプサイシンが体質的にあわないため黒豆だけを食べるようにして下さい。黒豆だけでも十分な育毛効果がありますので問題ありません。

一方で「血行不順体質」の方には、血行がよくなる効果も期待できますので黒豆とカプサイシンの同時摂取をすすめます。

黒豆は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで簡単に買うことができます。値段は1パック200円弱で、3~4日はもちますのでかなりコストパフォーマンスが良いです。

この方法を約1か月続けると、明らかに抜け毛が減ることを実感できるはずです。黒豆を毎日の食事に取りいれて、抜け毛予防と健康増進に役立ててください。