あなたは、肉が髪の毛の成長にとって大切な食品であることを知っていますか?適量の肉を定期的に食べることは、髪の成長に必要です。もちろん、肉ばかり食べることは健康にとってはよくありません。しかし、肉は良質のタンパク質や、健康維持に欠かせないさまざまな栄養素を豊富に含んでいることから、肉を全く食べないというのも健康にとってはあまりいい事とはいえません。

髪の毛の成長や健康維持にとっては、肉や魚、卵などをバランスよく食べることが大切だといわれています。しかし、肉や卵はコレステロールを多く含む動物性タンパク質であることから、食べ過ぎるとコレステロールが血管内に増えてしまい、増えたコレステロールによって血管が狭くなったり老化が進んだりするために健康にはよくないとされています。

そのために、近年は動物性タンパク質の摂取を抑えたほうが健康にとっては好ましいと考えられているようです。

身体にとって大切な栄養素であるタンパク質は、肉や魚、卵などの動物性タンパク質と、豆類などの植物性タンパク質に分けられます。健康にとっては、植物性タンパク質を多めに摂るようにして動物性タンパク質は控えめにする事が推奨されています。

しかし、肉の摂取を過剰に制限することは返って健康にとってはよくないという説も最近ではよく耳にするようにもなりました。

また、髪の毛の成長にとっては「適量に肉を食べることは必要である」との説があり、実際に定期的に肉を適量食べることで、髪の成長にいい効果が表れたと主張する専門家もいます

ここでは、適量の肉を定期的に摂取することが、なぜ髪の成長にとって必要なのかについてさまざまな観点から検証していきたいと思います。

肉にはどのような優れた栄養価が含まれているか

肉には優れた人間の身体にとって欠かせないタンパク質が豊富に含まれています。しかし、タンパク質は何も肉だけに含まれているわけでもありません。タンパク質は、人間に欠かせない三大栄養素「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の1つであることから、もともと多くの食品に含まれています。

また、髪の毛の成分の99%は「ケラチン」というタンパク質です。そのためタンパク質不足は、髪の毛の成長にとってよくありません。肉は良質のタンパク質を豊富に含み、なおかつ体内での利用効率も高い優れた食品です。

ただ、タンパク質を含む食品を摂っても、タンパク質の体内への吸収が悪ければ意味がありません。その点、肉は必須アミノ酸のバランスがよく体内吸収率も優れていることから、良質のタンパク質といえます。また、植物性タンパク質の吸収率が約80%であるのに対し、肉などの動物性タンパク質は約98%といわれています。

肉は「アミノ酸スコアが高い食品」です。アミノ酸スコアとは、食品のタンパク質の評価法です。各食品のアミノ酸のバランスを数値化したもので、100に近いほど良質の食品とされています。

アミノ酸スコアが100点満点の食品が肉類です。アミノ酸スコアが100点の食品は、肉類の他にも、乳製品や鶏卵、魚介類などがあります。タンパク質を多く含む食品に大豆がありますが、肉類などと比べるとアミノ酸スコアは85~90点に下がってしまいます。

また肉は、魚や大豆などと比べても肉や血になりやすいともいわれており、私たち人間にとっては本来欠かすことのできない優れた食品であるともいえます。

ただ、肉類の脂には、血管中では固まりやすい中性脂肪やコレステロールを増加させる作用がある「飽和脂肪酸」が含まれていることから、食べ過ぎると肥満になったり動脈硬化や脳梗塞の原因になるともいわれています。

牛肉・豚肉・鶏肉それぞれの栄養効果を確認する

肉には、牛肉、豚肉、鶏肉、また羊肉や馬肉などがあります。同じ肉でも、種類によって成分や栄養価が違ってくることから、どの肉を選ぶかによって健康や髪の毛にとっても影響が違ってきます。

それぞれの肉の栄養効果は以下の通りです。

1. 牛肉

牛肉には、良質のタンパク質と鉄分、必須アミノ酸が豊富に含まれています。その他にも、髪の毛の成長にとって欠かせない亜鉛やビタミンB12なども含まれています。特に亜鉛には、脱毛を促す男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン(DHT)」の発生を抑える働きがあります

また、牛肉には「幸せホルモン」といわれているセロトニンが多く、脳神経や自律神経に働きかけるので精神状態を落ち着かせる効果もあります。

牛肉には、カルニチンという成分が含まれています。カルニチンは、血中の中性脂肪を下げてコレステロール値を低下させます。そのため、牛肉を適量食べることはダイエット効果も期待できるのです。

牛肉効果を得るためには、脂肪分が少なくタンパク質や鉄分、ビタミンB12が多い「ヒレ肉」を食べることが効果的です。

2. 豚肉

豚肉には「疲労回復ビタミン」といわれている、ビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1は、風邪予防やストレス軽減効果もあります。また、悪玉コレステロールを下げるオレイン酸や、美肌に欠かせないナイアシンも豊富です。

豚肉も、脂肪分が少なくビタミンB1が豊富な部位が「ヒレ肉」です。

3. 鶏肉

鶏肉には、髪の毛や肌にとって欠かせない「コラーゲン」が豊富に含まれています。その他にも、ビタミンB6やビタミンA、ビタミンK、またはパントテン酸などの成分も豊富です。ビタミンB6も髪の毛や肌にとって大切な栄養素です。

鶏肉は皮に多くの脂肪が含まれていますので、カロリーを抑えたい場合は皮を取り除くだけで大幅にカロリーを抑えることができます。食べ方によっては、ヘルシーな肉といえます。

鶏肉では、「もも肉」や「むね肉」が一般的な部位ですが、共に栄養に優れた肉です。もも肉の脂肪に含まれる「不飽和脂肪酸」は血中コレステロールを抑えてくれるため、血栓予防効果もあります。

 

その他の羊肉や馬肉にはどのような栄養効果があるか

日常の食生活の中で、羊肉や馬肉を食べることは牛肉や豚肉などと比べるとあまりないかもしれません。しかし、羊肉や馬肉も実は栄養価に優れた肉で、牛肉や豚肉と比べても遜色ありません。実際に、馬肉は熊本県や長野県、そして福島県の会津地方でよく食べられており、その優れた栄養価は高く評価されています。

羊肉や馬肉の栄養効果は、次の通りです。

1. 羊肉

羊肉には、ラムやマトンがあります。ラムは子羊の肉で、マトンは成長した羊の肉です。それぞれに、ビタミンB12やビタミンE、コラーゲン、カルニチンが豊富で、髪や皮膚、ダイエット、生活習慣病防止効果が期待できる肉です。

2. 馬肉

馬肉は、牛肉や豚肉と比べると脂身が少なくカロリーも低くなります。馬肉に多く含まれる「グリコーゲン」はスタミナ源であり、その他にもカルシウムやビタミン類、鉄分なども豊富です。そのために、疲れたときに馬肉を食べると体力回復につながるといわれています。

髪の毛の成長のためにはどのくらいの量の肉を食べればいいのか

肉をある程度の量を食べることは、健康にとっても髪の毛の成長にとっても必要です。しかし、肉を食べ過ぎることは、さまざまな病気の原因にもなることもよく知られています。

肉の過剰摂取は、健康だけでなく髪の成長にとってもよくありません。

肉や乳製品を多めに摂る欧米型食生活は、血中コレステロールが高くなり血液もドロドロになりやすいといわれています。そのために、欧米では心筋梗塞や脳卒中などの発生率が、野菜や魚をよく食べるアジアの国々と比べると高くなります。

近年、日本において成人男性のハゲ率が昔と比べると年々高まってきているの原因は、食の欧米化が進んできたからだといわれています。

欧米の成人男性のハゲ率は軒並み40%以上ですが、近年は日本人の成人男性のハゲ率も26%と年々高くなっています。この数字は他のアジア諸国と比べても一番高く、アジアの中では日本人のハゲ率も一番高くなります。

日本における肉の消費量の増加率と、成人男性のハゲ増加率が比例しているのです。この結果からも、肉の食べ過ぎは健康を損なう危険性が高まるだけでなく、ハゲになる確率も高くなると考えられています。

肉は食べ方によっては、健康や髪の毛にとっていい効果をもたらす

しかし、肉や乳製品などの動物性タンパク質を摂ってもハゲにはならないどころか、返って髪の成長にいい効果をもたらすという説もあります。実際に、毎日肉や乳製品を摂っていてもハゲたり生活習慣病になったりすることが全くない人もいます。

それはなぜかというと、そのような人たちは「脂身が少なく栄養価の高い肉を適量食べている」からです。肉の種類や部位によっては、赤身のように脂身が少なくビタミン類を豊富に含む栄養価の高い肉があります。

特に、髪の毛の健康にとっては肉に含まれるある成分が重要であることが判明しました。それは「メオニチン」という必須アミノ酸の1種です。メオニチンは、体内では作ることができない必須アミノ酸なので、必ず食品から摂取しなければなりません。

メオニチンは、肉に多く含まれることから、髪の毛の成長や健康にとっては良質の肉を摂取することは大切なのです

そのような良質の肉を、正しい調理法で適量食べていれば、何ら問題ありません。それどころか、そのような肉の食べ方をしている人の方が、脂身の多い肉を食べ過ぎたり、または全く肉を食べなかったりする人よりも、健康な身体と美しい髪や肌を維持できる確率が高いともいわれているのです。

最近は「菜食主義者(ベジタリアン)」や、全く動物性食品を食べない「ヴィーガン」といわれる人たちも見られるようになりました。それぞれの食生活ですので、それはそれでいいと思います。

ただ、有名人がベジタリアン生活中に深刻な体調不良に陥ったことが話題になったことなどからも、肉を全く食べないと、逆に「健康を損なう」「気分が乗らない」「老ける」といったこともいわれているようです。

適量な肉とは、どの位の量なのか

では「適量の肉」とは、どの位の肉の量になるのでしょうか。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」発表によると、1日あたりの肉の平均必要量は、成人男性で50グラムで成人女性で40グラムとなります。

1日の肉・魚・卵の必要摂取量の合計が160グラムで、大豆製品は70gです。毎日良質の肉を40~50グラムと魚50グラム、卵60グラム、大豆を70グラム摂れば、何ら健康には問題ないということになります。

肉については、1日あたり80グラムまでは大丈夫だという専門家もいます。しかし、毎日100グラムは摂り過ぎとなります。糖尿病リスクが高まります。

国立がん研究センターの行った調査によると、肉を1日23グラムの食べている男性と、1日108グラム食べている男性を比較したところ、1日108グラム食べている男性の糖尿病リスクが1.36倍高まったとの報告がされています。

以上のことから、髪の毛の成長や健康維持のためには、肉を食べ過ぎたりまたは全く食べなかったりするよりは、毎日50グラム位を食べた方が好ましいといえます。

肉に含まれるコレステロールも大切な栄養素である

肉を食べ過ぎることの弊害として、血中コレステロール値の上昇が挙げられます。コレステロールが血管内に増えすぎることはよくありません。しかし、実はコレステロール値は少し高めの人の方が長生きであるということも事実です。

日本脂質栄養学会によると、「コレステロール値は高いほうが長生き」という発表がなされているのです。

コレステロールが身体に悪い働きをするときは、活性酸素と結びついたときです。コレステロールが活性酸素と結びついたときに、過酸化脂質となって血管を傷つけ動脈硬化を進行させてしまいます。

コレステロールが活性酸素と結びついて過酸化脂質に変わることを防ぐためには、肉を食べたときに野菜も一緒に沢山食べることです。そうすることで、コレステロールの弊害を抑えることが分かっています。昔から肉を食べる時は野菜も食べるようにいわれてきたのは、そのためだったのです。

欧米型食生活がハゲやすいというのは、肉と野菜のバランスが悪く肉の量が野菜の量と比べると多すぎることが考えられます。

このように、「良質の肉を正しい食べ方で適量食べる」ということは健康維持につながり、その結果髪の毛の成長にもよい効果をもたらします。肉の食べ過ぎはよくありませんが、日々の食生活に適度な肉料理を加えることが私たちの活力につながり健康な身体と髪も作ってくれるのです。