82

あなたは、毎日の食事の中でトランス脂肪酸をとり過ぎてはいませんか。トランス脂肪酸を摂取し過ぎることが、抜け毛の原因になることがあります。トランス脂肪酸は、いくつかある脂質の種類の中の1つです。

私たちの身体にとって、必須栄養素は3つあります。それらは、炭水化物、タンパク質、脂質です。脂質には、脳の機能を正常に働かせる役割や、食事の消化や吸収を助けたり、臓器、神経、骨などを守ったり、また体温を正常に維持したりするなどの働きがあります。

このように、脂質は私たちにとって必要な栄養素であることから、多くの食品に元々含まれています。そのために私たちは意識しなくとも、さまざまな食品から脂質をとることができています。しかし、実はここに注意が必要です。

私たちは、日頃の食事の中で意識せずに、髪の毛や健康にとっては好ましくない悪い脂質をとり過ぎている場合があります。トランス脂肪酸は、正にそのような脂質です。私たちは、知らず知らずにこの健康に悪いトランス脂肪酸をとり過ぎてしまい、健康を害し薄毛になってしまうことがあるのです。

ここでは、トランス脂肪酸とはどのような脂質であり、トランス脂肪酸の過剰摂取がなぜ薄毛につながるのかについて説明していきます。

トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸とは、植物性の油脂を加工する過程で発生する副産物で、健康にとって最も危険であるといわれている脂肪酸のことです。一言でいうと「人工的に作られた不自然な油」となります。値段も安くカリッとした食感が得られて保存性がよくなるとの理由から、トランス脂肪酸は広く使われています。

トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」を増加させ心臓疾患のリスクを高めるといわれてます。また、アメリカでは「食べるプラスチック」と呼ばれることもあります。

ファーストフード店などでよく食べられているハンバーガーや、フライドポテトなどには、トランス脂肪酸が多く含まれています。そのため、これらの食品にはカビも生えなければ、腐ることもありません。それどころか、ネズミやゴキブリも寄ってこないのです。

しかも、このトランス脂肪酸はさまざまな食品の製造時に使用されているために、摂取を100%避けることはできません。トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、マヨネーズや即席めんなど、日常生活で食べることが多い加工食品中に、約3~14%程度も含まれているのです

私たち現代人は、このような食品を毎日イヤでも食べなければならない環境にあるといえます。

トランス脂肪酸の弊害を知る

2015年にアメリカでは、米国食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸を食品に使うことを禁止すると発表しました。アメリカでは2018年6月以降、食品へトランス脂肪酸の添加を認めないといくことが決定しました。

日本においては、農林水産省のホームページでトランス脂肪酸について、次のように説明されています。

「トランス脂肪酸の摂取量が多いと、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えて、 HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減る。 そして、日常的にトランス脂肪酸な摂取が多い場合は、少ない場合と比較して心臓病のリスクを高める。」

このような事実があるにも関わらず、日本ではアメリカのように、トランス脂肪酸を食品に使うことを禁止するというような決定はなされていません。

その理由として、「日本では平均摂取量が世界保健機関(WHO)の基準値よりも少ないことから、通常の食生活を送っていれば健康への影響は小さい」とされているからです。また日本では、食品に含まれるトランス脂肪酸の含有量表示の義務もありません。

トランス脂肪酸を多く含む食品には何があるか

内閣府の食品安全委員会がトランス脂肪酸の含有調査を行った結果、トランス脂肪酸が含まれていることが判明した食品は以下の通りです。

マーガリン、ラード、マヨネーズ、スナック菓子、チョコレート、ビスケット、ケーキ、クリーム、インスタントめん、 食パン・菓子パン、 ヨーグルト、乳酸菌飲料、アイスクリーム、脱脂粉乳、がんもどき 等

これらの中で、特に注意しなければならない食品が、マーガリンと油で揚げた菓子(ポテトチップス等)です。

驚いたことに、上記の食品はトランス脂肪酸が含まれた食品のほんの一部です。しかし、食品安全委員会が調査を行っていないものも含めれば 、トランス脂肪酸が入った食品がこの数倍はあると推測されるのです

トランス脂肪酸の健康被害とは

トランス脂肪酸を過剰摂取しつづけることによって、以下のような症状の原因となることが世界中の研究者から指摘されています。

1. 肥満

2. 悪玉コレステロールの増加と善玉コレステロールの減少

3. 動脈硬化

4. 心筋梗塞のリスク上昇

5. 免疫力の低下

6. アレルギーやアトピー

7. 認知症

8. 不妊症

以上のように、トランス脂肪酸の過剰摂取は、特に血管の病気を引き起こすことがわかります。

トランス脂肪酸は薄毛の原因

トランス脂肪酸がハゲの原因になる理由は、次のように説明できます。

1. トランス脂肪酸によって、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加する。

2. その結果、LDLコレステロールが血管壁にこびりつき、血管内が狭くなることで全身の血行が悪くなる。

3. 全身の血行が悪くなることで、身体の末端の血行はさらに悪くなる。

4. 頭皮の血管は身体の末端の血管になるので、頭皮の血行も悪くなる。

5. 頭皮の血行が悪くなることで、頭皮の毛根にある毛母細胞に栄養が十分に行きわたらなくなる。

6. その結果、髪が育ちにくくなり、抜け毛が増えてハゲになる。

つまりは、トランス脂肪酸によって血行が悪くなることで、ハゲやその他さまざまな病気が引き起こされるということなのです

また、その他として次の理由も挙げられます。

1. トランス脂肪酸を過剰摂取することで、体内の悪玉男性ホルモンを増加させてしまう

2. その結果、「男性型薄毛症(AGA)」の最大の原因である、脱毛を引き起こすホルモン「ジヒドロテストステロン」を発生させる

3. ジヒドロテストステロンが体内で増加したことで、ハゲが進む

このように、トランス脂肪酸をとり過ぎることは、体内でハゲを引き起こすホルモンも発生させてしまうのです。

トランス脂肪酸の過剰摂取を避ける方法

トランス脂肪酸の過剰摂取を防ぐには、自分で日頃の食事に注意を払うしか方法はありません。特に、次の食品にはトランス脂肪酸が多く含まれていますので、これらの食品をなるべく食べないようにすることです。

食用油

ノンオイルドレッシング

マーガリン

ショートニング

マヨネーズ

ファーストフード

スナック菓子

外食

コンビニ弁当

薄毛改善のために意識してとるべき脂質とは

ハゲ改善のために、積極的にとるべき脂質があります。それは、オメガ3脂肪酸です。オメガ3脂肪酸には、青魚に含まれるDHAやEPAや、えごま油に含まれるαリノレン酸などがあります。

オメガ3脂肪酸には、血液サラサラ効果や悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があることから、大変注目されている栄養成分です。また、オメガ3脂肪酸は、細胞が正しく機能するためには不可欠な成分であることもわかっています。

オメガ3脂肪酸は、えごま油、アマニ油、青魚、しそ油、クルミ、緑黄色野菜、豆類などの食品に含まれています。

健康を損ねてハゲを引き起こすトランス脂肪酸をなるべくとらないようにして、健康維持やハゲ改善にも効果が高いオメガ3脂肪酸を毎日の食生活に取り入れていきましょう。