育毛効果が得られるとされている成分には、さまざまなものがあります。その中で、多くの育毛剤に配合されている成分が、グリチルリチン酸ジカリウムです

グリチルリチン酸ジカリウムは、抗炎症作用があるとして、育毛剤やスキンケア製品などにも広く使われています。グリチルリチン酸ジカリウムが、育毛シャンプーやスキンケア製品に使用される目的としては、殺菌や抗菌作用などが挙げられます。

殺菌、抗菌作用による解毒効果によって、頭皮や皮膚の炎症やかゆみを抑えて頭皮環境を健やかで正常な状態に保ってくれる働きがあるのが、グリチルリチン酸ジカリウムなのです

そして、最近では多くの育毛剤に、このグリチルリチン酸ジカリウムが配合されています。ここではグリチルリチン酸ジカリウムの育毛効果について説明していきます。

グリチルリチン酸ジカリウムとは

グリチルリチン酸ジカリウムは、漢方の原料としても使われる「甘草(かんぞう)」に含まれる成分のグリチルリチン酸と、ミネラルの一種であるカリウムが融合した成分です。

甘草は砂糖の100倍以上の強い甘みを持っており、この甘みの主成分がグリチルリチンです。甘草には炎症を抑える作用があることから、昔から抗炎症剤として広く用いられてきました。抗炎症作用は、甘草に含まれているグリチルリチンの働きによるものだったのです。

グリチルリチン酸ジカリウムは、別名として「グリチルリチン酸2K」や「グリチルリチン酸二カリウム」などとも呼ばれています。

グリチルリチン酸ジカリウムには、抗炎症作用があることから、皮膚の炎症を防ぐ効果があります。皮膚の炎症を抑えるために、育毛剤やニキビケア製品などにグリチルリチン酸ジカリウムは多く利用されているのです。

グリチルリチン酸ジカリウムは、「医薬部外品原料規格」や「日本薬局方外原料規格」に認められた成分としてさまざまな製品に用いられています

グリチルリチン酸ジカリウムの効果と作用

グリチルリチン酸ジカリウムの効果と作用は、次の通りです。

皮膚の炎症防止、かゆみ防止、にきび予防、フケ防止、抗アレルギー、抗炎症、殺菌

グリチルリチン酸ジカリウムは医薬部外品の育毛剤に使用されている

育毛剤などのスキンケア製品は、薬事法によって「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つに分類されて、それらの効果が明確に分かれてきます。それぞれの違いは、以下の通りです。

1. 医薬品

医薬品とは、医薬的効果が厚生労働省によって認められた薬品です。「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の中で、治療効果が一番高くなります。

医薬品も、2つに分けられます。医師が処方して効果も高い「医療用医薬品」と、医師の処方無しで効果も緩やかな「一般用医薬品」です。

医療用医薬品は薬局で、一般用医薬品はドラックストアなどで購入することができます。

2. 医薬部外品

医薬部外品は、医薬品ほどの効果はありませんが、医薬品に準ずる効果があるとされています。医薬部外品には、厚生労働省によって認められた有効な成分が一定の濃度で配合されています。医薬部外品は、医薬品ほどの医療効果は認められないけれども、予防のためは役立つ製品として使われています。

医薬部外品は、ドラックストアなどで購入することができます。

グリチルリチン酸ジカリウムが配合された育毛剤は、医薬品ではなくて医薬部外品として扱われています。グリチルリチン酸ジカリウムの殺菌作用によって頭皮の雑菌の繁殖を防ぎ、フケやかゆみを予防する効果が期待できるとされています。

3. 化粧品

化粧品は、医薬部外品と比較しても、さらに効能や効果が緩やかです。化粧品は、皮膚を清潔にすることや健やかに保つなどの目的で使用されています。化粧品は、治療効果や予防効果もない製品ですが、広く使用されています。

以上のことから、グリチルリチン酸ジカリウムは、育毛や発毛効果というよりは頭皮環境の改善を目的とした成分であるといえます。

育毛にとって、なぜ頭皮の雑菌を防ぐことは大切なのか

髪の毛のトラブルに悩まされている人の頭皮は、炎症を起こしている場合が多く見られます。頭皮が炎症を起こしていることで、フケやかゆみ、脱毛が引き起こされてしまうのです。

頭皮には、脂性肌タイプと乾燥肌タイプがありますが、髪の毛のトラブルが起きやすいのは脂性肌タイプです。脂性肌タイプの頭皮は、皮脂が過剰に分泌されることで毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、雑菌が繁殖しやすくなって炎症を起こします。そのために、脱毛が起きやすくなってしまいます。

頭皮には、「マセラチア菌」という皮脂をエサにしている常在菌が存在します。皮脂が増えると、このマセラチア菌も増殖します。マセラチア菌が増えすぎると、頭皮環境が悪化して抜け毛が増えてしまいます。

頭皮がこのような状態にならないように、日頃から頭皮に優しいシャンプーを使用して頭皮環境を整えておくことが大切です。そして、シャンプーの後にグリチルリチン酸ジカリウムが配合された育毛剤を使用することで、頭皮の炎症を抑えることも可能になります。

特に、急激に抜け毛の本数が増えた時は、ほとんどの場合頭皮が炎症を起こしてしまっているので、正しい頭皮ケアを行うことで一刻も早く抜け毛を止めるようにすることが大切になってきます。グリチルリチン酸ジカリウムの高い殺菌効果によって、頭皮のマセラチア菌の過剰な繁殖を防ぐとともに、フケやかゆみを改善することが可能になります。

同時に、グリチルリチン酸ジカリウムが、体内に侵入したウイルスや雑菌を捕食し撃退する役目がある免疫細胞「インターロイキン-12」を活性化することで、雑菌にも負けない健康な頭皮を作ることが可能になります。

グリチルリチン酸ジカリウムには副作用があるのか

グリチルリチン酸ジカリウムは、もともとが甘草という植物性成分が由来であることから、健康被害が少ないことが特徴です。肌や体への刺激性も低く、毒性による副作用もほとんどありません。

ただ、注意事項として次のことが指摘されています。

1. グリチルリチン酸ジカリウムには、厚労省の使用規定があり1日の摂取量は40mgまでと定められている。

2. グリチルリチン酸ジカリウムの1日の摂取量が40mgを超過すると、「偽アルドステロン症」という症状を引き起こす可能性があるといわれている。この症状は、高血圧症、低カリウム血症を招いて、むくみや手足のしびれなどを引き起こす。

3. しかし、育毛剤やシャンプーに配合されているくらいの分量では、それら副作用の心配はほとんどない。

このように、副作用が少ない安全な成分がグリチルリチン酸ジカリウムはなのです。

グリチルリチン酸ジカリウムと相性のいい成分はあるのか

自然成分由来であるグリチルリチン酸ジカリウムは、同じような天然の生薬と相性がいいといえます。グリチルリチン酸ジカリウムと相性がいい天然成分は、以下の通りです。

1. センブリエキス

センブリエキスは、センブリという植物から抽出されたエキスです。日本では、古くからセンブリを腹痛や下痢などをいやす漢方薬として用いてきました。また、センブリエキスはヨーロッパでも、医薬品として現在も使われています。

センブリエキスには、育毛効果が高い成分が多く含まれています。特に「頭皮の血行促進」と「毛母細胞の活性化」の効果が認められています。動物実験では、センブリエキスを塗ると、脱毛症のウサギ全体の約80%に効果が認められたという学術報告があります。

またこのセンブリエキスにも、グリチルリチン酸ジカリウム同様に、「副作用がほとんどない」という特徴があります。

2. オウゴンエキス

オウゴンエキスは、「黄金花(コガネバナ)」と呼ばれる植物の根から抽出された成分で、古くから漢方薬として処方されていました。

オウゴンエキスには、さまざまな効能があります。それらは、抗炎症作用や活性酸素除去作用、保湿作用などですが、特に注目すべきは、オウゴンエキスには男性型脱毛症の原因といわれている「ジヒドロテストステロン」の抑制効果があるということです。

男性型脱毛症(AGA)は、「テストステロン」という男性ホルモンが、「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで「ジヒドロテストステロン」という脱毛ホルモンに変換されまて引き起こされます。

オウゴンエキスが、5αリダクターゼの働きを抑えることで、テストステロンがジヒドロテストステロンに変換されずに脱毛を抑えるのことができるのです

頭皮の炎症を抑えるグリチルリチン酸ジカリウムを、センブリエキスやオウゴンエキスと一緒に使用することで、髪の毛が生えてきやすい頭皮環境をつくることが可能になります。ただ、そのためには日頃の食生活や生活習慣にも十分な注意を払い、身体の外側と内側から育毛を目指すことが大切なのです。