植物から抽出した育毛エキスに、オウゴンエキスがあります。オウゴンエキスには、頭皮の炎症を抑える働きや保湿効果がありますが、同時に男性型脱毛症を防ぐ効果もあります。そのために、オウゴンエキスは多くの育毛剤に配合されています。

育毛効果がある成分には、さまざまな種類がありますが、大きく分けると2つに分けられます。それらは、植物由来の自然成分と化学的な方法で開発された人工成分です。

化学的な方法で開発された人工成分で有名なのが、「ミノキシジル」や「フィナステリド」です。また、植物由来の自然成分が「オウゴンエキス」や「グリチルリチン酸ジカリウム」、「センブリエキス」などになります。

それぞれに有効性や安全性に違いがありますが、一般用には自然成分のほうが安全性は高く、人工成分のほうは有効性が高いといえます。

それでは、自然成分には効果がないかといえば、そのようなことはありません。自然成分には、発毛効果はないにせよ、頭皮の炎症を抑えたり頭皮の血行を促進したりなどの、健康な髪が育つために必要な働きが十分にあります

そのために、自然成分のオウゴンエキスは、同じく自然成分である「グリチルリチン酸ジカリウム」や「センブリエキス」のように、多くの育毛剤に配合されているのです。

ここでは、オウゴンエキスの育毛効果について説明していきます。

オウゴンエキスとは

オウゴンエキスは、ロシア極東から中国北部、朝鮮半島にかけて生息している「黄金花(コガネバナ)」というシソ科の植物の根から抽出したエキスです。黄金花の長さは、約30cmほどで夏には紫の花を咲かせます。黄金花の根の中が、鮮やかな黄色であるために黄金花と呼ばれています。

日本でも、江戸幕府8代将軍の徳川吉宗の時代に黄金花の種が輸入されて、江戸の「小石川養生所」において栽培が始まりました。

乾燥させた黄金花の根を、薬として用いると鎮痛効果や抗炎症効果が得られることから、古くから漢方薬の生薬として使われていました。

オウゴンエキスには、どのような効果があるのか

オウゴンエキスにはいくつかの効果がありますが、植物からの自然成分であるために副作用が少ないといった特徴もあります。オウゴンエキスは、胆汁の分泌を促し、解熱や炎症を鎮める働きがあることから、多くの漢方薬に生薬「オウゴン」として配合されてきました。

オウゴンが配合された漢方薬は、以下の症状改善に効果があるとされています。

1. 腹痛

2. 頭痛

3. 胃腸炎

4. 下痢

5. 嘔吐

その他の効果として

7.  育毛効果

8. 美白効果

9. ニキビ防止効果

以上のように、オウゴンエキスにはもともとは薬としての効果がありますが、最近では美白効果やニキビ防止効果、そして育毛効果などに注目が集まっています。そのために、オウゴンエキスは、多くの育毛剤や化粧品に使われているのです。

オウゴンエキスの育毛効果とは

オウゴンエキスには、病気の治癒効果があることがわかりましたが、その他にも育毛効果があることが注目されています。

オウゴンエキスによる育毛効果には、以下の5つがあります。

1. 抗炎症効果

オウゴンエキスには、抗炎症作用がある「バイカリン」や「バイカレイン」の成分が含まれています。これらの成分の働きによって、頭皮の炎症を抑え頭皮環境を改善することが可能になり、抜け毛防止効果が期待できます。

2. 保湿効果

トラブルの起きやすい頭皮は、脂っぽい脂性タイプと乾燥した乾性タイプの2つです。オウゴンエキスは、乾性タイプの頭皮に潤いを与えます。それにより、頭皮が保湿効果を得られて乾燥による髪の毛のトラブルを防ぎます。

3. ジヒドロテストステロン抑制効果

男性型脱毛症(AGA)は、脱毛を引き起こす「ジヒドロテストステロン」が原因です。ジヒドロテストステロンは、5αリダクターゼによって作られますが、オウゴンエキスは、この5αリダクターゼの働きを抑える効果があります。それにより、脱毛ホルモンであるジヒドロテストステロンの発生を抑制して、抜け毛を防ぐことができます。

4. 活性酸素除去効果

活性酸素が体内で増えすぎると、身体を酸化(サビ)させて老化を早めたり、細胞を傷つけたりします。それにより、健康が損なわれたり毛母細胞の働きも弱まったりすることで、脱毛が起きやすくなります。オウゴンエキスには、身体の酸化の原因となる活性酸素の除去効果があります。

5. 皮膚の老化を進める酵素抑制効果

タバコの煙や排気ガスによって、皮膚の老化を進める酵素が体内で発生しやすくなります。皮膚の老化は、頭皮の老化につながります。髪を作る毛母細胞は、頭皮の毛根の中に存在するので、頭皮の老化は髪の毛の成長の妨げになります。

オウゴンエキスが、この皮膚の老化を早める酵素の発生を抑制して、皮膚や頭皮の老化を防ぐことで、脱毛を予防できるのです。

オウゴンエキスには副作用が少ない

オウゴンエキスが漢方薬の生薬「オウゴン」として用いられた場合は、体質によっては副作用が出る場合があります。

副作用としては、間質性肺炎としての空咳、発熱、労作時の息切れなどの症状であったり、また薬剤性肝炎としての全身倦怠、発熱、嘔吐、食欲不振、黄疸などの症状が現れることがあります。

ただ、育毛剤に配合されているオウゴンエキスは、少量であるために上記のような副作用の危険性はほとんどないといえます。

オウゴンエキスと相性がいい他の自然成分とは

オウゴンエキスは自然成分ですので、オウゴンエキスと相性がいい成分は、同じく植物から作られた自然成分である「センブリエキス」や「グリチルリチン酸ジカリウム」がよいといえます。

センブリエキスは、センブリという植物から抽出されるエキスのことです。センブリは漢方薬として、下痢や腹痛などをいやす効果があります。センブリは、日本では江戸時代から用いられていましたし、現在でもヨーロッパでは医薬品として使われています。センブリエキスには、血行促進作用による育毛効果が期待できます。

グリチルリチン酸ジカリウムも、同じく植物から抽出された自然成分です。グリチルリチン酸ジカリウムは、「甘草(かんぞう)」という漢方の生薬に含まれる「グリチルリチン酸」と、ミネラルの一種である「カリウム」が結合した成分です。

グリチルリチン酸ジカリウムには、皮膚の炎症を防ぐ効果があります。髪のトラブルに悩まされている人は、頭皮が炎症を起こしている場合が多いので、そのような人の頭皮の炎症を抑えるためにグリチルリチン酸ジカリウムは育毛剤に多く利用されています。

これら「センブリエキス」と「グリチルリチン酸ジカリウム」、そして「オウゴンエキス」の3つの成分が同時に配合されている育毛剤は数種類存在しますので、育毛剤を選ぶときの1つの目安にしてください。

オウゴンエキスのさまざまな育毛効果の中で、ハゲの原因の1つであるジヒドロテストステロンを抑制する効果は注目に値します。しかも、AGA治療法と違い副作用がほとんどないことは、さらに驚くべき点であるともいえます。

このような素晴らしい育毛効果を望めるオウゴンエキスは、同じく自然成分であるセンブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムと併用することでその効果が増しますので、育毛剤を選ぶ際の参考にするといいでしょう。