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最近は、女性でも薄毛に悩む人が増えてきています。現在の女性の薄毛人口は、300~500万人といわれており、女性でも薄毛で悩んでいる人の数が増加傾向にあります。この傾向は今後も増えると予想されており、女性の効果的な薄毛対策が必要になってきます。

女性の薄毛の症状は、男性の症状とは違います。男性の場合は、頭頂部や額の髪の生え際から薄毛が進む場合が多いですが、女性の場合は頭部全体がまんべんなく薄くなることが多いのが特徴です。

この女性特有の薄毛の症状は、額の髪の生え際のラインは変わらずに、頭部全体の毛髪が抜けたり細くなったりします。おおよそ30代後半くらいから、髪の毛の密度が全体的に減り始めることが特徴です。

このような女性型薄毛症を、「女性男性型脱毛症(FAGA)」と呼んでいます。FAGAの一番の要因は、女性ホルモンの減少です。

女性ホルモンは、早い人では35歳前後から女性ホルモンの分泌量が減少してきます。そのため、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れて、ハゲを引き起こす男性ホルモンが優勢になり、「男性型脱毛症(AGA)」が起こりやすくなるのです。

しかし、この女性男性型脱毛症(FAGA)の原因を知り、しっかりと対策を取れば、FAGAは治らない症状ではありません。そうすることで、FAGAを完治させることは可能です。

ここでは、女性男性型脱毛症(FAGA)の原因と対策について説明していきます。

女性型の薄毛を知る

女性男性型脱毛症(FAGA)は、別名「びまん性脱毛症」といいます。この脱毛症は、部分的ではなく毛髪全体が薄くなるのが特徴です。薄毛の症状徐々に進行するために、目に見えるようになるまでは気づきにくく、症状が悪化してしまうことがよくあります。

また、このFAGAは20代の女性に見られることは非常に稀で、女性ホルモンが減少しだす30代後半から症状が現れてきます。

FAGAは、初期の段階では抜け毛が増えたり、分け目が広がってきたりします。この症状が現れたときに、そのまま放置すると、症状が進行して頭全体に薄毛が広がり、やがて頭頂部も地肌が透けて見えるようになります。

FAGAの症状は、次の通りです。

1. 抜け毛が増える

2. 髪のボリュームが減る

3. 髪が細くなり、切れ毛が増える

4. 髪型が決まらない

5. 髪の分け目が目立つ

6. 頭皮が透けて見える

7. 髪のハリやコシが減る

FAGAは、全体的に少しずつ薄くなるために、その変化に気付きにくく対処が遅れてしまうことがよくあります。FAGA対策は、早いほど効果が期待できますから、抜け毛が多いと感じたら対策を早めに取るべきです。

FAGA(女性男性型脱毛症)はAGA(男性型脱毛症)と区別されています。その理由は、脱毛の症状が異なるからです。男性のAGAの場合は、頭頂部と髪の生え際など局所的に薄くなるのが特徴ですが、女性のFAGAは頭髪が細く弱まり全体的に薄くなるのが特徴です。

FAGAとAGAは、治療法にも違いがあります。AGAには有効なプロペシアは、FAGAには有効ではありません。正しい対処法を確認することが大切です。

また、男性型AGAは進行性であるために放っておくと髪の毛が減り続けていきますが、女性型FAGAの場合は、発毛に関わる女性ホルモンは減少するものの一定の量は分泌されるために、男性のようなハゲ頭にはなりません。

FAGA発症の仕組み

FAGAが引き起こされる仕組みは、次のように説明できます。

女性にも、体内には女性ホルモンと男性ホルモンが存在します。当然、女性の場合は女性ホルモンの割合が圧倒的に高く、女性には男性の1/10の男性ホルモンしかありません。

FAGAは、女性ホルモンの減少により、体内のホルモンバランスが崩れることから始まります。女性ホルモンには、「発毛促進シグナル」を増やす働きがあります。しかし、加齢などで女性ホルモンが減少すると、 この「発毛促進シグナル」も減ってしまいます。

女性ホルモンには発毛させる働きがありますが、男性ホルモンの中には脱毛を促す働きがあるのもあります。血液中を流れる男性ホルモン(テストステロン)は、毛根にある毛乳頭に入り込むと、5αリダクターゼ酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。

このジヒドロテストステロン(DHT)が毛母細胞に入ると、毛母細胞の細胞分裂が活発に行なわれなくなり、抜け毛を引き起こしてしまうのです。

もともと、女性には女性ホルモンが圧倒的に多いわけですから、若いうちは余り抜け毛の問題ありません。しかし30代後半になると、女性ホルモンの分泌が徐々に減るために、男性ホルモンとのバランスが崩れてきます。

その結果、男性ホルモンが優勢になり、男性型脱毛と同じように生え際や前頂部の毛が薄くなることが起きるのです。しかし女性の場合は、男性のようなハゲになることはなく、薄毛の状態ではあるにせよ髪の毛がある状態は保たれるので、男性型脱毛症(AGA)と区別して女性型脱毛症(FAGA)と呼ばれています。

女性型脱毛症(FAGA)の防止法

男性型脱毛症(AGA)には、プロペシアが有効とされています。しかし、男性と薄毛の原因が異なる女性がプロペシアを服用しても効果はありません。それどころか、女性はプロペシアを触るのさえよくありません。

FAGAの一番の要因は女性ホルモンの減少ですが、その他にも食生活の乱れやダイエット、ストレスなどがあります。そこで女性の場合は、ホルモンバランスや自律神経を整え、正しい食事と正しいヘアケアを心がけることが大切です。

ホルモンバランスの乱れを簡単に見つける方法

ホルモンバランスが崩れて女性ホルモンが減少することが、FAGAの原因であると説明しました。ホルモンバランスが乱れる要因は2つあります。

1つ目は、年齢です。早い人では35歳頃から女性ホルモンの減少が見られます。40歳も過ぎれば、女性の多くに女性ホルモンの減少が見られます。

2つ目が、体毛です。体毛の生え方でホルモンバランスの乱れがわかります。男性ホルモンの働きが活発になることで、手足や指などの毛が濃く、太くなります。手足の毛が太くなってきたら、男性ホルモンが活発になっているということです

FAGAを防ぐ女性ホルモンの増やし方

まず、FAGAが起きる原因を知っておき、日常生活の中でそれらのことを避けることが女性ホルモンを増やすことにつながります。そのためには、次の事が大切です。

食生活:栄養バランスの良い食事をとる。栄養のバランスが悪い食事は、男女を問わず全ての薄毛にとって大きな要因になります。特に女性は、ダイエットや食が細かったりすることで、十分な栄養がとれていない場合がよくあります。それでは髪にも栄養が十分に行き届きません。

女性ホルモンを増やす働きのある栄養素には、大豆イソフラボンがあります。黒豆は、大豆イソフラボンが豊富で育毛効果があることは事実です。ただ、大豆イソフラボンだけを多くとっても、それだけでは女性ホルモンを増やす効果はあまりないので、やはりバランスよく栄養摂取することが大切です。

睡眠不足:髪の毛は、22:00~26:00の間に成長します。この時間に良質の睡眠をとることで、髪の毛は力強く成長します。同時に、良質の睡眠をとることは、女性ホルモンの分泌を活発にさせて、老化防止にもつながります。このように、良質の睡眠をとることは髪や肌にとっても極めて大切なことなのです。

ストレス:あらゆる病気に悪影響を与えるとされているストレスですが、やはり髪の毛に対しても良くありません。ストレスによって、血管が収縮して細くなることで血流が悪くなります。その結果、血液を通して、髪の毛をつくる毛根に十分な栄養が届かなくなってしまいます。

喫煙:日本では減少傾向にあるとはいえ、女性の喫煙率が10~14%あります。喫煙は、女性ホルモンの分泌を抑えるため、抜け毛や肌あれ、シワの原因になります。長期間たくさんのたばこを吸い続けていると、肌表面に定着して年齢の割に老けた肌に透明感のない 「タバコ顔」になってしまいます。

また、たばこは血管の収縮につながるので、育毛にとってはよくありません。早めに禁煙することが、女性ホルモンを増やすことにもなるのです。

育毛剤:最近では、FAGA脱毛症にも効果が期待できる女性用育毛剤も増えてきました。女性と男性では脱毛のタイプが違うので、FAGAに悩む女性はこれらを有効活用していくことが重要です。

FAGA(びまん性脱毛症)は女性にとって、大変辛い髪の毛のトラブルです。「髪は女の命」といわれるほど大切ですので、FAGAの原因を突き止めて早めの対策を取りましょう。